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音を大きくしたい!③

  • 執筆者の写真: Music School AMBER
    Music School AMBER
  • 2020年6月29日
  • 読了時間: 4分

更新日:2020年7月6日

こんにちは。

Music School AMBERのまつもとあきこです。


ここまできてフルートの大きな音って?

と思うんです。


高音で大きな音を出せば吹奏楽でもオーケストラでも合奏の中で聞こえはしますが、ユニゾンでみんなと一緒に吹いている時は誰にも聞こえてないんじゃないかと思っちゃいます。


でもね、トランペットやサックスみたいにはできないけど、フルートの音のあり方ってあるのかなって思っています。


 

大きな音とは?


実はどんなに頑張ってもフルートで大きな音を出すのは限界があるのかなあと思ってます。トランペットやサックスにはかなわない。

ピアノみたいに一台でオケを相手できるような音は出せない。


だけどソロを受け持つことも多いし、ちゃんと聞こえる音は出したい…。


まあ考えてみるとソロの時は割と周りが静か、時にはたった一人で音を出すこともある

(超緊張するけど(汗))

だから、まずは無理に大きな音を出そうとして(余計な)力が入ってしまうとかえって音が潰れたようになって音が出てこないので、特に力の入ってしまう肩や顎、首の力を抜くこと。

空気の通り道を狭めないようにして、よく音を響かせちゃいましょう!

フルートの音で空気を揺らそうと思う感じです。


合奏の中でのフルートの音ってケーキでいうと周りを飾るクリームや飾りみたいな存在なんじゃないかなと思っています。

(本体のスポンジはクラリネットとかサックスとかかなぁ。)


だから大きい音を出そうと頑張るよりも、全体を包むような響きを作ることを考えてみてほしいなと思います。



音のブレンド


学生時代のオーケストラの授業の時先生に「フルートの筒の中にクラリネットを入れたような音で」と言われたことがあるのですが、当時は頭の中にハテナ???が浮かびました。

それからしばらくしてロンドン交響楽団の日本公演を聴きに行きました。フルートとクラリネットのユニゾンの時、一瞬なんの楽器の音か分からなかったんです!2本の楽器の音が混ざりあって新しい楽器のような音でした。今思うとあの授業で先生に求められたのはフルートの響きでクラリネットの音を包む感じを求められていたんだということ、ロンドン交響楽団の木管楽器の奏者のように音をブレンドさせるよう言われていたんだと、後になってわかりました。


だから一人で頑張ろうと思わないで、仲間の音とよく合わせてみるといいと思うんです。


大きな音を出したい!


音を大きくしたいと思うと、どうしていますか?


中学生の時の私はとにかく強く吹きました。

そして意味もないのに腕や首、顎に思い切り力を入れてました。


自分的にはすっごく大きい音を出した気分になりました。

でも実際出た音はプシューッという空気音。

高音はまだいいです、音程はひどいものですが、大きな音は出ます。

でも低音はダメです。

音はなりません。

空気音ばかり。

音が出ないから焦ってちゃんと出そうとしてさらに顎や首に力を入れる。

力が入った顎はどんどん前に出てくるので、息は音が出るポイントから外れたところに吹付けることになる。

だけど、出てくる音はプシューーー(涙)


これではダメなんだなとやっと気がつく。


頑張ればいいってもんじゃない。

頑張りが空回りしちゃう。

だから、まずは余計な力は抜きましょう。

しつこいようですが、特に首と顎と肩。

できれば腕や指も。

息の通り道を確保。

音そのものと響きを作ることにも意識を向けて。


ステージ上で近くの人にはよく聞こえても、客席の方には音が届いていない、とか

逆にステージ上の仲間にはあまり聞こえなくても、客席には音が届いていたりする場合もあります。

”そばなり(そば鳴り)”とか”とおなり(遠鳴り)”とかいう言葉、聞くことありませんか?


あなたはどっちがいいですか?


私はやっぱり客席に届く音がいいなあ。

音が人の耳に届くのは空気を揺らしてその揺れが耳に届くから。

近くをバシャバシャさせるような揺れではなく、遠くまで空気を揺らすような音を送り出すようにイメージしています。


フルートは音の立ち上がりが他の楽器より遅いのでパンチのある音を出すのは難しいです。でも客席で聴いている人の耳には響きが残っているでしょう。

美味しかったお料理の後みたいに、気持ちいい響きが残っているといいなあ。



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