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『自由』と『好き勝手』

  • 執筆者の写真: Music School AMBER
    Music School AMBER
  • 2020年7月27日
  • 読了時間: 4分

更新日:2020年8月13日

こんにちは。

Music School AMBERのまつもとあきこです。


思い通りに気持ちよく、自由に演奏したいですよね。

でも、

「自由に演奏していいんだよ!」

って言われると困っちゃう時ありませんか?



だって自由にしたら

「ちがうちがう!そうじゃなくて、こういう時は…」

と注意されてしまったり、いろいろダメ出しされたりして、結局あんまり自由な感じがしない…。


『自由』と言っても、して良いことと悪いことがあるんですね。

そんなところを考えていこうかなと思います。


 

守らなければならないこと


まずは守らなければならないこと、しなければならないことをあげてみると


①楽譜に書いてあること(音符、音量、表現や発想に関する記号など)

②テンポ(テンポを変える指示がないところは一定のテンポで)

③音程



楽譜に書いてあることはお芝居なら台本みたいなものだと思うんです。

作曲家が書いた指示ですもんね。

音、リズム、音量、表現の指示…、書いてあることを守リましょう。

編集者の解釈で原譜と違うこともありますが、違いがあるとしても、いま目の前にある楽譜をよく見ておかないと、違いもわかりませんしね。


テンポは上手に出来るところは速く、苦手なところはゆっくり、なんてことにならないようにしてくださいね。いきなりは出来ないような指示のテンポもありますが、そんな時はゆっくりとはじめればいいんです。メトロノームをかけて同じ速さで。苦手なところの速さに合わせてゆっくりからだんだん速めていけばいいんです。少しずつ指示に近づけていきましょ。


音程は管楽器や弦楽器の場合、指使いが合っていても正しい音程で音が出せてるとは限りません。難しいところです。

チューナーで音程が正しいか確認しながら練習してみてください。

ここで気をつけたいのはチューナーの画面を見ていると耳がお留守になっちゃうことがあります。(「で合わせてる」なんて言われますけど ^^; )

なので、音叉とかチューナーの音を聞いて「で合わせて」いけるようにするといいなあと思います。

あとは歌うこと。鼻歌でいいです。自分の声でその音程を作ってみてほしい。

音の高さに敏感になりましょう。


音楽は答えが一つではない世界。

でも音程は機械で測れるもの、正しい音程というものがあるんです。

テンポも機械のようにとまではいかなくても、アンサンブルをする上で一定のテンポで演奏できるようにしておく必要があります。全部きちんと出来なくても足並みを揃えて、曲を止めずについていかなければなりません。


さて、いろいろ守ることがあると

「結構自由なんてないんじゃない?」

と思ってしまいませんか?





自由にしていいこと


では自由にしていいことは?


それは…解釈、かなと思います。


解釈って?

作品から何をどう感じるか

どんな色(音色)で表現するか


いろんなことを守った上で感じたことを表現すること

それは自由だと思いますよ。


例えば、作品から感じる情景やストーリーはそれぞれ自由でいいと思うんです。

それを心に描きながら演奏していい。

その思いが聴いている人に伝わるか、むしろそこを伝えるのが演奏者の力の見せ所、自由だと思うんです。



自由になるために


作曲家が作った作品を演奏するということは、いくら演奏者が自由な思いを心に描いてもミストーンだらけだったら伝わらないということになりますね。

だから楽譜に書かれたことを守ることは自由になるために必要なこと。

決まりを守った上に自由がある感じです。


何もかも自由にしたいなら、自分で作品を作るか、即興演奏することになる。

でも作曲にもルールはありますからね。

どんな分野も形式やルールがあってそれを守るから美しいのでしょうね。素晴らしいのでしょうね。


『自由』は『好き勝手』とは違う。

勝手にすると逆にその作品の魅力がなくなってしまうのではないかなあ。

自由でいるために決まりを守ってるってことでしょうかね。


だから美しいものや楽しいことワクワクすることを感じることって大切だなと思います。

そういう心を鍛えておくと自由な表現がどんどん湧き出てくるんじゃないかなあ。



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